雨の日の追憶 〜クランベールに行ってきます 本編ロイド視点〜

 そのままロイドは、ユイの唇を思う存分味わった。

 ユイの甘い吐息と唇が、次第に頭の芯を痺れさせ、ロイドの本能をかき立てる。

 肩を掴んだ手が鎖骨を撫でた時、ユイがピクリと身体を震わせた。
 その反応にロイドはハッと我に返り、慌てて身体を離した。

 ユイが目を開き、驚いたようにロイドを見上げて問いかける。


「何?」


 ロイドは大きく息をついた。


「やばかった。そのまま、突っ走りそうになった」
「……え……」


 ロイドはユイから離れ、ベッドの縁に座った。
 ユイも身体を起こし、ベッドの上に座る。


「おまえ、どうする? 研究室にいる必要もないが、来るか?」
「うん」


「そうか。じゃあ、もう少ししたら、今日明日のおまえの扱いについて、ラクロットさんと相談してみよう」


 ロイドはベッドから下りると、頭をかきながら寝室を出た。

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