雨の日の追憶 〜クランベールに行ってきます 本編ロイド視点〜
 ロイドは小鳥を手の平に乗せて持ち上げた。
 動かない小鳥を見つめて目を細める。


「あいつ、おまえを可愛がってくれるといいな」


 すぐに手が出る凶暴な女でも、ロボットとはいえ小鳥を投げつけたりはしない事を祈る。

 凶暴で反抗的で小骨が刺さる、好みから外れている女だが、ユイはおもしろい。

 謁見に向かう途中で、ユイが発案した五感伝達装置はおもしろそうだ。
 小児医療とかで役に立つかもしれない。
 今度、王宮医師のローザンに提案してみよう、とロイドは思った。

 そういうユニークな発想が、予想外の反応を生むのかもしれない。

 ロイドはユイに、強く興味を引かれた。
 その事は、どうやら陛下に見抜かれてしまったらしい。


(陛下も考えたな)

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