雨の日の追憶 〜クランベールに行ってきます 本編ロイド視点〜
「次に見られるのは、三十年後だな」


 ユイは淡く微笑みながら、ロイドを真っ直ぐ見つめる。


「その時も、あなたと一緒に見られたらいいな」
「あぁ」


 ロイドはユイの肩を、そっと抱き寄せた。

 ユイの言葉に、胸のざわめきが大きくなる。

 部屋に戻ったロイドは、居ても立ってもいられなくなり、書斎に入ってコンピュータを立ち上げた。

 ユイが入口に立って、不思議そうに尋ねる。


「まだ寝ないの?」
「あぁ。おまえは先に寝ろ」
「……うん」


 ユイは扉を閉めて立ち去った。

 画面には時空移動装置の図面と設計書が表示されている。
 理論も仕組みも穴だらけだ。
 ロイドはその穴を少しでも埋めようと、ブラーヌと共に行った調査書類を検証した。
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