雨の日の追憶 〜クランベールに行ってきます 本編ロイド視点〜
 ユイは涙声で尋ねる。


「今度っていつ? 私、明日ニッポンに帰るのよ」
「いつとは明言できない」


 ロイドが正直にキッパリ答えると、ユイは駄々を捏ねるように益々しがみついた。


「……イヤ……!」


 ロイドは少し間を置いて、小さくため息をついた。


「……ったく。突然会いに行って、驚かせてやろうと思ってたのに」
「え?」


 ユイは泣き止み、驚いたようにロイドを見上げる。
 ロイドは目を逸らし、自嘲気味に笑った。


「いや、詭弁だな。本当はさっきまで、行くべきか迷ってた」


 今さら隠してもしょうがない。
 ユイを安心させるためにも、自分の決意を固めるためにも、全部話した方がいいだろう。
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