雨の日の追憶 〜クランベールに行ってきます 本編ロイド視点〜
 ロイドはこれまで迷っていた事、そしてこれからやろうとしている事をユイに打ち明けた。


「もう、ごまかしはきかない。必ず時空移動装置を完成させる。だから待ってろ」


 ロイドが宣言すると、ユイは不思議そうに尋ねた。


「うん。だけど、どうして今度なの?」


 そこまで言わせるのかと呆れつつ、ロイドはイタズラっぽく笑う。


「馬は目の前に人参をぶら下げられると、よく走るんだ。食っちまったら満足して走らなくなる。言っただろう? 一分一秒でも、おまえを手放すのは耐えられない。
オレは気の長い方じゃないんだ。そんなには待たせない。必ず近いうちに、おまえを迎えに行く」


 決意を強固なものにして、ロイドはユイを抱きしめた。

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