雨の日の追憶 〜クランベールに行ってきます 本編ロイド視点〜
 ユイはまた涙ぐむ。
 けれど嬉しそうに微笑んで、ロイドの胸に頬を寄せた。


「うん。待ってる。あなたが出来の悪い科学者じゃなくてよかった。ねぇ、もう一度聞かせて」


 ユイが何をねだっているのか、すぐにわかった。
 ロイドはユイの耳元に顔を寄せ囁いた。


「愛してる」


 そして、こめかみにキスをする。
 ユイは一層微笑んで、ロイドにしがみついた。


「その言葉、ずっと聞きたかった」


 それはロイドの方こそ、ずっと言いたかった言葉だった。

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