雨の日の追憶 〜クランベールに行ってきます 本編ロイド視点〜
 ロイドはユイを寝室に運び、ベッドに寝かせた。
 リビングの後片付けをして、ユイの隣に潜り込んだものの、少しうとうとしただけで目が覚めた。

 眠ろうとしたが眠くならないので、諦めて起きている事にする。

 幸せそうなユイの寝顔を眺めていると、愛しさがこみ上げてきて、ついつい抱きしめてしまったのだ。

 ユイが眠っているのをいい事に、ロイドは再び耳元で囁いた。


「待ってると言ったからには覚悟しろよ。おまえがオレを忘れて待つのを止めても、オレは迎えに行くぞ。そして必ず連れて帰る。おまえを他の誰にも渡すつもりはないからな」


 頬に軽く口づけると、ユイはまた寝ながら「うん」と返事をして笑顔を見せた。

 ロイドは少し笑って、力を入れすぎないように気を配りながら、ユイをキュッと抱きしめる。

 しばらくそのまま、時々耳元で「愛してる」と囁きながら、腕の中の温もりに酔っていると、空が白み始めた。
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