雨の日の追憶 〜クランベールに行ってきます 本編ロイド視点〜
「なんだ、そうか。レフォールもいい仕事するじゃないか」
ロイドは大きくため息をつく。
この親子にはかなわない。
確かに寝所は共にしたが、キスしかしていないと言っても信じてもらえないだろう。
弁明する事を放棄して、ロイドは執務室を辞した。
朝食を済ませたら、マシンの調整とチェックを行わなければならない。
部屋に戻っているヒマはなさそうだ。
ユイはラクロット氏が起こしてくれるだろう。
(もう一度、キスしたかったな……)
そう思ったが、それは次に会った時の楽しみに取っておこう。
まだ今ひとつピンと来ないが、ユイとの結婚を考えると、随分前にブラーヌが言っていた事を思い出した。
陛下から何度か結婚を勧められた事をブラーヌに話した時、彼は賛成も反対もしなかったが、しみじみと言った。