雨の日の追憶 〜クランベールに行ってきます 本編ロイド視点〜
エピローグ
「待たせたな。迎えに来たぞ」
一ヶ月後、時空移動装置は完成した。
夕方の研究室にローザンとレフォール殿下がやって来て、ロイドの時空移動を見守っていた。
時空移動装置は開発期間を短縮するため、広域人物捜索装置に機能を追加する事で完成した。
そのため基本的な操作は、逆転送のテストに関わったローザンも知っている。
行きはローザンに操作してもらい、帰りはロイドの持つリモコンで遠隔操作を行う事にした。
ガラスの筒の中に入ったロイドは、ローザンに向かって手を挙げた。
それを受けてローザンが操作を開始する。
少ししてマシンがうなり、足元が振動し始めた。
そして身体の周りを光が覆い始める。
手を振る殿下とローザンの姿が光に隠れて、ロイドは目を閉じた。
しばし後、周りから音と光が消えている事を感じて、ロイドは目を開いた。
目の前には間近に壁と窓が迫っていて、少し驚く。
どうやら移動に成功したらしい。