雨の日の追憶 〜クランベールに行ってきます 本編ロイド視点〜
 ユイはふてくされたように顔を背けた。


「だって昔から、からかわれてうんざりなんだもん」
「オレも言われてうんざりしている事はある」


 ロイドがそう言うと、ユイは意外そうに目を見張った。


「え? そうなの?」
「学者のくせに無駄にいい身体をしていると、よく言われる」


 途端にユイは、うんざりしたようにため息をつく。


「なんなら脱いで見せようか? 向こうのベッドルームで」


 首を傾げて、羽織った白衣を広げてみせるロイドに、ユイは目を細くして追い払うように手を振った。


「抱き心地の悪い女にそんなサービスいらないわよ。ひとりでベッドルームに行って」
「おまえ、根に持つ奴だな」

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