雨の日の追憶 〜クランベールに行ってきます 本編ロイド視点〜
 ロイドは思わず、ユイの両手を離した。

 つまらない好奇心が、自分で自分の首を絞めたような気がして、一瞬頭が真っ白になった。

 すると怒っていたユイが、突然クスリと笑った。


「ウソよ。あなたでもうろたえる事あるのね」


 ぼやけた視界では、ユイの表情はよく見えない。
 そのため真意も測りかねる。ロイドは見極めようと、メガネをかけ直した。


「……からかったのか?」
「からかわれてばかりじゃ、シャクだもの」


 見極める前に、ユイはクルリと背中を向けた。


「オレをからかうとは、いい度胸だ」

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