雨の日の追憶 〜クランベールに行ってきます 本編ロイド視点〜
「どこの田舎者だ」(2)
ラクロット氏が不思議そうに尋ねながら、歩み寄って来た。
ロイドは即座にそれを制する。
「来ないでください! 危険です。下がって! 装置がおかしい!」
「え?」
ラクロット氏は言われた通り、急いで部屋の隅まで下がった。
やがて筒の内部の、光が収束を始めた。
ロイドはモニタ画面にチラリと視線を送る。
検索は終了し、画面には検索結果が一件表示されていた。
筒の内部に視線を戻すと、光が消えた床に、黒髪の人物が横たわっていた。
レフォール殿下のようだ。
「殿下!」
ロイドの声に、背後からラクロット氏が心配そうに尋ねた。