雨の日の追憶 〜クランベールに行ってきます 本編ロイド視点〜
ユイは気まずそうに、ロイドを上目遣いで見上げた。
「……ごめん、まぎらわしくて」
案外素直に謝った事が意外だった。
「何か用だったの?」
ユイの問いかけに、ロイドはピルケースを取り出した。
マイクロマシンを指先につまんで、彼女の鼻先に突きつける。
「口を開けろ。今日の分だ」
抵抗するかと思ったが、ユイは素直に口を開いた。
開いた口の中に、マイクロマシンを放り込む。
口を閉じたユイが、マイクロマシンの与える違和感に、少し顔を歪める。
それが消えたのを見届けて、ロイドは話しかけた。