雨の日の追憶 〜クランベールに行ってきます 本編ロイド視点〜

「あ、ロイド、ボクの朝食を三十分遅らせてくれるようにラクロットに伝えて。昨日、風呂に入ってないんだ」


 ユイは殿下になりきっている。
 ロイドは振り返り、恭しく頭を下げた。


「かしこまりました」


 思った通り、言葉が直れば、容易に区別できそうにない。
 ロイドは身体を起こし、フッと笑った。


「なかなか、やるじゃないか」


 ユイは少し得意げに胸を反らす。


「まぁね。腹括ったの。ちゃんとやるから、そっちもさっさと王子様を見つけてよ」
「御意」

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