雨の日の追憶 〜クランベールに行ってきます 本編ロイド視点〜
 ロイドは苛立つ気持ちそのままに、ユイを呼びつける。


「何をやってる。後で来いと言っただろう。さっさと来い。いつまで待たせる気だ」
「……ごめん、すぐ行く」


 ユイはしおらしく返事をすると、電話を切った。
 あまりの素直さに拍子抜けする。
 だが、反抗されるよりは断然いい。

 すっかり気をよくしている自分に、ハタと気付いた。
 別に好かれている訳じゃないのに、ユイの態度が少し好転しただけでこの様だ。


(まるでガキじゃないか。それどころじゃないっていうのに)


 ロイドは頭をかきむしりながら、おもむろに立ち上がった。


「あーっ! 畜生!」


 雑念を振り払うために一声わめいて、メインコンピュータの前に移動する。
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