雨の日の追憶 〜クランベールに行ってきます 本編ロイド視点〜

 そこにはラクロット氏から渡された、捜索隊の報告書が置かれていた。

 椅子に座りひと息つくと、報告書を手に取った。
 内容に目を通し始めると、自然に頭はそちらに没頭していった。



 ふと、背後に人の気配を感じて振り返る。
 いつの間に来たのか、小鳥を肩に乗せたユイが立っていた。


「やっと来たか。待ちくたびれて、じじぃになるかと思ったぞ」


 ロイドがそう言うと、ユイは早速憎まれ口を叩く。


「元々じじぃなんじゃないの?」
「黙れ」


 小憎たらしいので、思わず額を叩いた。

 年を訊かれ三十前後だと答えると、ユイは怪訝な表情をする。
 拾われっ子だから正確な年が分からないと説明すると、今度は深刻そうな表情になった。

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