雨の日の追憶 〜クランベールに行ってきます 本編ロイド視点〜
 ロイドは本来の目的を思い出し、白衣のポケットから黒い板状の通信機を取り出し、ユイに渡した。ユイはそれを裏返したりしながら、珍しそうに眺め問いかけた。


「何? これ」


 ロイドはポケットからもうひとつの通信機を取り出し、ユイに見せながら機能と使い方を説明した。
 ユイは納得して通信機をポケットにしまう。


「あぁ、ケータイみたいなものね」


 耳慣れない単語に、ロイドは食いついた。


「ケータイって何だ?」


 ユイは平然と説明する。

「携帯電話。持ち歩ける電話よ。クランベールにはないの?」

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