雨の日の追憶 〜クランベールに行ってきます 本編ロイド視点〜
 ニッポンには普通にありふれた物のようだ。
 どんなものなのか興味が湧いたので、少し突っ込んで訊いてみる。


「ない。どういう仕組みだ?」
「……え……」


 途端にユイは絶句した。
 ありふれた物でも、仕組みまでは知らないようだ。

 先ほどの乗り物といい、ニッポンにはクランベールとは違う科学文化があるらしい。
 ユイの住んでいた世界を見てみたい、とロイドは思った。

 ユイに渡した通信機は、あくまで緊急用の物だ。
 ニッポンにありふれたケータイの感覚で、気軽に使ってもらっては困る。
 そこでロイドは、忠告を与えた。


「いいか、わかっているだろうが、オレはヒマじゃない。くだらない用事や、イタズラでそのボタンを押してみろ。二度とそんな事をする気にならないような、お仕置きが待っていると思え」

「はいはい」

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