雨の日の追憶 〜クランベールに行ってきます 本編ロイド視点〜
 室内のマシンにも、セキュリティ機能が施してある。
 ロイド以外の人間が起動させようとすると、うるさいアラームが鳴るのだ。
 そうなると面倒なので、忠告した。


「触るなよ」


 ユイは顔を上げて、こちらを見た。


「わかってるわよ」


 一通り見て回ると満足したのか、ユイは窓辺に縋った。
 ぼんやりと外を眺めながら、小鳥の頭を撫で始めた。

 ロイドも安心して解析作業に戻った。

 少しして、作業が一段落した。
 振り返るとユイは、まだ外を眺めてぼんやりしている。

 ロイドは席を立ち、部屋の隅にある給湯コーナーへ向かった。
 二つのカップに茶を淹れ、自分の分には砂糖を十五杯入れかき混ぜた。
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