雨の日の追憶 〜クランベールに行ってきます 本編ロイド視点〜

「まるでガキじゃないか」(4)

 人が脳で物を見ている限り、他人と同じものを見る事は出来ない。
 だから幽霊がいるかいないか判断は出来ない。

 それを説明すると、ユイは納得したようなしないような、曖昧な返事をした。
 そしてユイは、目を輝かせて得意げに提案した。


「じゃあ、全く同じものが見えるようになる機械を作ったら? 直接脳に映像を送るとか」


 おもしろいアイデアだが、難がある。


「そんなものは永遠に作れないだろうな。脳に直接映像を送る事は可能だが、それを判断するのは脳だ。人から主観や感情がなくならない限り無理だな」


 あっさり却下されたのが不満なのか、ユイはイヤミを言ってきた。


「ふーん。あなたにも作れない機械があるのね。エロエロマシーンならお手の物なんでしょうけど」

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