雨の日の追憶 〜クランベールに行ってきます 本編ロイド視点〜
どうも様子がおかしい。
どこかに連れて行こうとしているようだ。
途端に背筋に冷たいものが走った。
「まさか、あいつに何かあったのか?」
ピッと一声鳴いて、小鳥は再び外に出た。
今度はロイドもその後を追う。
研究室の扉を閉じ、先を行く小鳥について駆け出した。
王宮の長い廊下を抜け、貴賓室の横から庭園に出て、小鳥はユイの通った道を忠実に辿る。
庭園を斜めに突っ切り、黄色い小鳥は外れにある蔓植物で出来たアーチの上に留まった。
ロイドは花壇をよけながら、小鳥の元へ向かう。
白い花を付けた緑のトンネルの向こうには、レフォール殿下がよくお行きになる、白い石造りの東屋がある。