雨の日の追憶 〜クランベールに行ってきます 本編ロイド視点〜
 ロイドはユイに問いかけた。


「ケガは?」


 不意にユイは顔を上げた。
 目が合った途端、慌ててロイドのひざから降りようとする。

 立ち上がろうと足を動かしたユイが、顔を歪めて声を上げた。


「いたっ……!」


 上から覗き込むと、ユイのズボンのひざから下が、黒く変色していた。


「なんか派手に血が出ているみたいだな。医者に診せた方がいい」


 そう言ってロイドは、ユイを抱き上げ立ち上がった。
 身長の割に、あまりにも軽いので少し驚く。

 そのまま東屋の階段を下りて歩き始めると、ユイが腕を突っ張って抵抗した。

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