雨の日の追憶 〜クランベールに行ってきます 本編ロイド視点〜
 ロイドは名乗り、ここに至った経緯と、装置の説明を女に話した。女は一応納得したようだ。
 そして、とぼけた事をロイドに訊く。


「で、クランベール王国ってどこの国?」


 この女、どこの田舎者だ。
 それともまだ、ねぼけてるのか?
 ロイドは呆れて、女に言う。


「世界一の大国を知らないとは、おまえどこの辺境からやって来たんだ」


 女はムッとした表情で眉を寄せると、ロイドを睨んだ。


「ニッポンよ。それに世界一の大国ってアメリカじゃないの?」


 聞いた事のない国名に、ロイドは首を傾げた。


「ニッポンにアメリカ? どっちも聞いた事ないな」

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