雨の日の追憶 〜クランベールに行ってきます 本編ロイド視点〜
「降ろして。自分で歩くから」


 少し足を動かしただけで、痛がっていたくせに強がるな。


「歩かない方がいい。骨に異常があるかもしれない」


 ロイドが却下すると、ユイは尚も食い下がった。


「医者に診せたら、私が女だってばれるんじゃないの?」


 それを気にしていたのか。


「大丈夫だ。いう事を聞く医者がひとりいる」
「……え……」


 ユイは納得したのか、抵抗を止めておとなしくなった。
 しばらくそのまま歩き続けたが、あまりにおとなしいので少し気になる。
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