雨の日の追憶 〜クランベールに行ってきます 本編ロイド視点〜

 ユイを狙った犯行というよりは、レフォール殿下を狙ったものと考える方が自然だ。

 中に降りてみたいが、もうすでに辺りは暗くなっている。
 陛下にご報告申し上げれば、この件は調査して頂けるだろう。

 ロイドは王宮に戻り、東屋の穴の事とユイが転落しかけた事を、ラクロット氏に報告した。

 ラクロット氏はユイに東屋へ行くのを薦めた事を酷く気に病んでいたが、彼のせいではない。

 そしてユイが殿下の行動を探っていた事と、ジレット嬢にユイの正体を見破られた事を教えてくれた。

 ジレット嬢の方は大丈夫として、余計な事をするなと言っておいたのに、やはりユイはいう事を聞かなかったようだ。

 陛下への報告はラクロット氏がすると言うので、ロイドは医務室に向かった。
 ユイのケガの具合が、気になったのだ。

 医務室の扉を開けると、診察台の上にはすでにユイの姿はなく、ローザンが机に向かってカルテの整理をしていた。


「あいつは?」

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