はじめての"好き"。
【結衣side】
「…………」
「お嬢様、いかがなされましたか?」
「じいや……」
今はもう、自宅の部屋にいる。ベッドに入ったまま座り、窓の外を見ていた。
そこに来た、じいやの声で我えと戻った。
「ッケホ…ッケホ…」
「お嬢様、まだお体に触ります!横になってください!」
『男と女には友情なんてないんだよ♪』
『九条様はぁ~、神城さんのこと鬱陶しいって』
頭の中で繰り返される言葉。
私は今まで、何で気がつかなかったの?今が楽しいからって蓮くんが鬱陶しいって思ってたことに気づかなかった。自分のことしか考えてなかった……
陸斗くんのことだって、今よく考えてみたら、陸斗くんにはさやがいるのに、普通に陸斗くんと喋ってた……。
わたし、馬鹿だ
周りのことを全然見てなかった。自己中だな…
今頃みんな、北海道で楽しんでいるころ……だよね
私は自分の幸せなんかより、さやや陸斗くん………それから蓮くん。
皆が、笑って幸せでいてくれればそれが一番いいよ…
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