元恋人の甘い痛み【完】
「人の事を言う前に、お前はどうなんだ。コイツを目の敵にするより、他にもっとやる事があんだろ」
「…し、失礼します」
その女性は雷牙へ一礼すれば慌ててその場を後にし、去って行った。
雷牙は私の頭をぽんぽんと軽く触れると、その場を去って行った。
「…何なのよ」
庇ってくれたのかもしれないけど、余計なお世話だわ。雷牙に庇って貰えなくったって自分で何とか出来るんだから。
急に出て来て余計な事をしないで。
私の事なんて放っておいて。