元恋人の甘い痛み【完】
「ねぇ雷牙…」
「何だ?」
玄関のロビーへ着くと、恵梨香が雷牙へと声を掛けて背後より近付いて行く。
「今日、仕事が終わったらそっちへ行っても良い?」
「別に構わない。仕事の話でもあるのか?」
「まぁ、そんな所かな」
「分かった」
そんな所かなって、絶対違うよね。私の勝手な妄想かもしれないけど…私に当て付けてる様なそんな気がしてならない。
…気にしすぎかしら。
恵梨香に見送られながら、雷牙の運転で会社へと戻った。