元恋人の甘い痛み【完】
急いで化粧室から出てさっき二人が居たテーブルを見るも、二人の姿は無い。
喫茶店から出て辺りを見回すと、先程の男の後ろ姿らしき人物を見かけ小走りで追い掛けた。
「あ、あの!」
「なっ、何だよ?」
「さっき喫茶店で何をしていたの?」
「あんたには関係ないだろ」
「……お金…受け取っていたわよね?」
「なっ!」
「…別に他言したりはしないから安心して。貴方が本当の事を言ってくれたらの話しだけど」
「わ…分かった!言うから、黙っててくれ!」
「約束は守るわ」
私は男に事情を聞いた後に、その足で雷牙のマンションへと向かった。