元恋人の甘い痛み【完】
十一、大株主の脅迫
――――――
――――
――
「…ふぁ」
雷牙が株主総会に参加している間、一人秘書室から窓の外を眺めながら欠伸が出た。
ここ最近仕事が忙しく、どれだけ寝ても疲れが取れず欠伸が頻繁に出る。
私なんかよりもずっと雷牙の方が忙しいと言うのに、雷牙は疲れた様な表情や仕草を決して見せない。
素晴らしい事だと思うけれど、体調は大丈夫なのだろうか。まぁ私が心配する様な事は何もないわよね。
雷牙のストレスの捌け口は沢山居る(女)だろうし。私がどうこう気にする事じゃないわね。