元恋人の甘い痛み【完】
「ほう。アイツは秘書泣かせで有名だからな。アンタも既に食われてるのかと思った」
「…それは無いですから。良い返事が出来なくてすみません」
「あの雷牙が食わない女か。それはそれで興味がある。明日の夜、此処で待ってるから来い」
「どうして私が…」
男は私の身を離すと、名刺を取り出しその裏へホテルの名と部屋番号を書き留めた。
「意味は分かるな?」
「貴方に興味なんてありません」
「もし来なければ…今持っている株を全て安値で売りに出す。ジュオールにとって大損害だと思うぞ」
何よこの人。まさか…脅迫してるの?私を脅迫して、どうにかしようとしてる?