元恋人の甘い痛み【完】
「…っ…ちょっと…」
口内へと舌が滑り込まれ目を見開き咄嗟の判断で無理矢理顔を背け唇から逃れる。
でも直ぐに財前は顎を掴み力任せに顔を向けられ再び唇が重なると荒々しく口内を貪る。欲に駆られているのか、拒絶されると興奮する体質なのか容赦無く口内を犯す。
財前に一瞬の隙が出来たのを見逃さず、その胸を思い切り突き飛ばした。
「はぁ…抵抗しても無意味だ。俺の欲を余計掻き立てるだけに過ぎない」
「…私、荒々しい男は嫌。するなら優しくしてくれなきゃ感じないわ」
「それは無理な話だ」
財前は人が変わった様に不気味な笑みを浮かべると、太股へと手を伸ばしぐっと爪を立てて来た。