元恋人の甘い痛み【完】
「…お前か」
何、どういう事?
どうして雷牙が此処にいるの?
財前は拘束していた私の手を解き、私をあっさりと解放した。
「遊びが過ぎんだろ」
「いつもなら好きにしろって放置なお前が来るの、珍しいな」
「近くを通りかかったからな」
何、この会話。
どう言う事?
「帰るぞ」
「はい?」
雷牙はソファーにあった私の鞄を手にすると、私の手を掴み無理矢理引っ張られる。
財前は雷牙の行動を止める事等せずで、私は捲り上がったままだったスカートを元へ戻し部屋を後にした。