元恋人の甘い痛み【完】
「何故俺に相談しなかった」
「…相談って、私の事だもの貴方は関係ない」
「お前の事だけじゃねぇだろ。株をどーたらこーたら言われてたんじゃないのか?」
「…それは…そうだけど」
確かに株の事で脅されたのがキッカケでもあるし、雷牙に強くは言い返せなかった。
雷牙は車のエンジンさえ掛けずに、真っ正面を向いたまま溜め息をついた。
「男を甘く見るな。その気になれば、女の一人や二人くらい犯せる」
「…それは分かってるわ」
「じゃああれか、お前はアイツとやりたくてあの部屋へ行ったのか」
何よその言い方。一々棘が刺さる様な言い方しないで。