元恋人の甘い痛み【完】
雷牙の腕から逃れ、身を起こそうとした矢先。腕を掴まれ再び腕に閉じ込められてしまった。
「起きてたの?」
「今さっき起きた」
雷牙はぎゅっと私の身を抱き締める中、頭へと頬擦りする。こんな風に誰かの腕の中で過ごすのも久し振り。
一緒に寝る事はあっても腕枕とか苦手だから、避けて寝てた。昨夜は何度も肌を重ねたからきっと疲れて眠ってしまったんだわ。
「…今何時かしら」
「さあな。今日は休みだろ。時間なんか気にするな」
雷牙はまるで私の事を愛おしむ様に額へとちゅっとキスを落とした。