元恋人の甘い痛み【完】


「俺が言える立場じゃねぇのは分かってるが、もっと自分を大事にしろ」


雷牙の言葉に着替えていた手が自然と動きを止めた。自分を大事にしろ?


どうして貴方にそんな事を言われなきゃならないの?どう言う意味で言ったのそれ。


「お前にはもう傷付いて欲しくない。お前程の女なら、心底愛してくれる野郎が幾らでもいんだろ」

「…貴方には関係ないでしょ」

「ああ関係ない。関係ない事だが、気にする事ぐらいは良いだろが」

「気にする?笑わせないで。なら貴方は今居る女全員ときっぱり切れるの?無理でしょう?それはね、私も同じなの」


気付いたら雷牙の目の前へと歩み寄り、雷牙の瞳をじっと見つめた。


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