元恋人の甘い痛み【完】
「なら俺が今居る女を全員切ったら、お前は今居る男、全員切るか?」
「どうして貴方と一緒にしなきゃならないのよ。話がおかしいじゃない」
「どうなんだ?」
雷牙は私の手をぐっと強く引くと、真剣な眼差しでじっと見つめる。
私は私、貴方は貴方。
「どうもこうも、もう二度と貴方に左右されたくないの。分かったら離して」
「俺が簡単に離すと思うか?」
「…お願いよ…離して…」
身体が小さく震える。どうしてか分からないけど、様々な感情が入り交じり久し振りに涙が出そうになる。