元恋人の甘い痛み【完】
繋がれた手と雷牙の顔を交互に見つめた。さっきの人、手を繋ぐ雷牙が珍しいみたいな事を言ってたけど…普段は繋がないの?
「何だ?」
「いいえ、何でもない」
私があまりにじろじろ見るからか雷牙は視線に気付き不思議そうに私を見る。思わず視線を逸らしてしまった。
「こんな所、会社の社員に見られたらどうするの」
「そん時はそん時だ。それにプライベートまでどうこう言われる筋合いは無い」
「流石は社長。どっしり構えてるのね」
やがて雷牙のマンションへと戻って来ると、車に乗り家へと走らせてくれた。