元恋人の甘い痛み【完】


「悪趣味でも何でも構わないよ俺は。アンタに興味があるだけだ」


その時、隣りの社長室のドアが閉じる音がした。


雷牙?


「少し席を外すわ」


部屋を出て社長室へと入ると、椅子に座り外の景色を眺める雷牙が視界に映る。


その姿を見て安堵している私は何なのだろうか。少し遅れて来たくらいで過敏になり過ぎてるわよね。


「社長、おはようございます」

「ああ。誰か来てるのか?」

「…はい」


朝から敬語なんて使うから雷牙は気付いたのだろうか。流石にいつもの様には話せないから仕方ないわよね。

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