元恋人の甘い痛み【完】
女といるかもしれないとは思っていたけど…こうも直接的に声が聞こえると無性に腹が立ってしまう。


「今、下に居るの。下りて来てくれない?」

『取り込み中だ。帰ってくれ』

「どうしても話したいのよ。今じゃなきゃ駄目なの」

『行けないものは行けない。じゃあな』

「雷牙が来るまで待ってるから!」


通話が切れてしまった。


雷牙はまだ機嫌が悪い。昼間から何も変わってないみたい。


電話の声が冷たかった。


…きっと来てくれないだろうな。
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