元恋人の甘い痛み【完】


社長椅子に深々と腰を下ろした雷牙に股がって座り対面している女性。


その女性は恥ずかしがるでも、焦るでもなくあくまで冷静に私を見て言葉を投げ掛ける。


雷牙もまた何時もの如く冷静で、それ所か冷めた様な冷ややかな視線で私を見つめる。


なんだか益々腹が立つ。


「やるなら他でしてくれないかしら?目障りだわ。雷牙も雷牙よ、そんなに盛ってるなら会社を早退してホテルにでも行きなさいよ。言っておくけど、私が秘書になったからにはルールはちゃんと守って貰うわ?」


「何よこの女。雷牙に向かって偉そうな口をきいて何様よ」


何様?私はただ社会人として当たり前の事を言ってるだけなんだけど。


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