元恋人の甘い痛み【完】


「私の言っている事が理解出来ないなら、私を首にでも何でもすれば良いわ」

「…ククッ」

「何がおかしいの?」

「あの頃より随分言う様になったと思ってな」

「…私情を挟まないで」

「減るもんじゃあるまいし、別に良いだろーが」



雷牙は女性を膝から下ろすと椅子から立ち上がり、此方へ向かって歩いて来る。


すぐ目の前に来たかと思うと私の顎を指で掬い上げ、不適な笑みを浮かべながらぐっと顔を近付けられる。


な、何よ?


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