元恋人の甘い痛み【完】

振り返るとそこには雷牙がいた。


「優里?こんな所で何してんだ」

「……雷牙」

「ずっと居たのか?」

「…………」


何かを考えるよりも先に身体が動き、雷牙の胸へと飛び込んでいた。


雷牙の背中へ腕を回しぎゅっと抱き締める。


自分でも何故こんな事をしてるのかわからないけれど、今はただ、こうしていたい。雷牙の胸に縋り付いて居たい。


雷牙は無言で私の身を抱き締め返してくれた。
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