元恋人の甘い痛み【完】

何も言葉が出て来ない。何処まで本当なのか分からないし、安易な事を軽々しく言えない。


「…お前が居たら余計混乱するだけだからな、俺だけ来たって訳」

「……貴方がそこまでする必要あるの?冷たい言い方かもしれないけど…理解出来ない」

「理解を得られるなんざ端から思ってない。理解出来ないのも無理はないからな」


雷牙は私の身体を離すと、頬に手を添えながら私をじっと見つめた。


その瞳は強く惹き付けられ視線が逸らせぬ中、見つめ返した。
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