元恋人の甘い痛み【完】
「お前は何故来た?」
「…分からない。分からないけど、身体が勝手に動いてしまってたの」
「…そうか」
「きっと相手が恵梨香だから…いてもたってもいられなくなったんだと思う」
「…………」
「貴方達の過去から抜け出せてないのね、きっと…」
「疚しい事等何もない。さっきはただ傍に居ただけだ」
「……今朝、恵梨香が来てたでしょ?あの時、貴方と私が別れてからも関係してたって言ってたわ。わざわざそれを言う為に来たのよ」
「そんな事ある訳ないだろーが。でまかせ言いやがって」
雷牙は眉間に皺を寄せた。