元恋人の甘い痛み【完】

「…で、気になってたって訳か」

「…そうみたい」

「なら聞くが、さっき抱き付いて来たのは何だ。俺が恋しかったか?」

「…ち、違っ」

「違うようには思えねぇがな」

「…………」

「素直に言ってみろ」

「…………」

「どうなんだ?」

「……違うわ」

「素直になれたら褒美をやろうかと思ったが、無しだな。残念だ」



雷牙は再び溜め息を付くと、ふっと小さく笑い車を走らせた。

違うもの、そんなんじゃない。


絶対に違う。
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