元恋人の甘い痛み【完】
「七年前に比べりゃあ、良い女になった」
「…誰かさんのお陰よ」
棘のある嫌な言い方をして雷牙を見つめ返す。ある意味貴方のお陰で私は変われたのよ。
貴方の女遊びが激しいお陰で、傷付かずにすむ方法を見付け出す事が出来たんだから。
「気の弱い黙ったままの女よりずっと良い」
「だから何?訳が分からないわ」
私は雷牙の手を振り解いた矢先、さっきまで雷牙とイチャ付いていた女性が口を開いたかと思えば、私が居るにも関わらず気にしないといった様子で雷牙にべったりとくっつく。
「雷牙ー、夜会ってくれる?」
「何も無ければ構わない」
「約束だからね!」
そんなに見せ付けなくとも、取ったりしないわよ。