元恋人の甘い痛み【完】
部屋へ入ると雷牙は崩れる様にソファーへと突っ伏した。
「疲れてるならベッド使ってくれて構わないのに」
「此処で良い。ベッドで寝るとなるとお前を引き込みたくなるからな」
「何よそれ」
クローゼットから毛布を取り出すと、雷牙の身体へと掛けた刹那、不意に手を掴まれ引き寄せられる。
「おやすみ、優里」
「お、おやすみなさい」
雷牙は私の唇へ触れるだけのキスを落とし、解放された。
調子狂うな、もう。
電気を消してベッドへと入り瞼を閉じた。