元恋人の甘い痛み【完】
二十三、ハプニング
―――ん。
身体が凄く暖かい。何かに包み込まれている様な感覚に落ち着き安心しきっている。
これはどんな夢?
「…………」
夢じゃない。
見慣れた天井に見慣れた部屋。そして、見慣れた社長………社長!?
雷牙が私の身を抱き締めた状態でスヤスヤと眠りに付いている。
朝方は確か別々に寝た筈。
なのにどうしていつの間に雷牙が隣りにいるのよ。必要以上にピタッとくっつき腕枕までされている。
…いつの間に。