元恋人の甘い痛み【完】
「血相を変えてどうした」
「…どうしよう」
「…何がだ?」
「…盗撮…されてたみたい…」
デスクで仕事をする雷牙にDVDを差し出した。雷牙は無表情のままDVDをパソコンにセットし内容の確認をする。
そこには私の部屋が映されており、この前雷牙が泊まってくれた時のものが映し出されている。
「…隠しカメラか」
「…まさかそんな」
「馬鹿な奴」
「…気持ち悪いわ、凄く」
「警察に言うか。それからお前は暫く家に来い」
「…でも」
「でもとか言ってる場合か?何かあってからじゃ、遅いだろーが」
雷牙はDVDを取り出すと立ち上がり会社を出る用意を進める。